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『古株社員が優秀な若手社員をいじめるとき』~明快通信Vol.021~

2014年8月12日


おはようございます。

 

人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。

 

先日、あるセミナーで聞いて心に残ったこと。

『アイデアがいっぱいの人は深刻化しない』

もとはフランスの詩人ポール・ヴァレリーが書いたものだとか。

 

(言い得て妙とはこのこと。思考を拡げていく楽しさとワクワク感)

 

今週も井上先生から人や組織に関する

ノウハウを取材して参りました。

 

今回のテーマは「古株社員と若手社員」。

詳しくは本文で・・・!

 

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テーマ:古株社員が優秀な若手社員をいじめるとき

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あなたの会社では、古株社員が

優秀な若手社員をいじめているなんてことはありませんか?

私も実際に、相談を受けることが少なくないです。

 

中小企業で、古株の社員さんが若手社員をいじめていたら

物を申せるのは、「社長だけ」ということが多いんですよね。

 

いじめられている若手社員が、

会社を辞めてしまうことも往々にしてありますから、

看過できない問題です。

 

では、社長が古株社員にいじめを止めさせたいと思った時に

考えるポイントどんなことだと思いますか?

 

私は、古株社員さんがどう考えているかに

焦点を当てるべきだと思っています。

 

どういうことか、具体的に見てみましょう。

 

【未来を見てる?過去を見てる?】

当の古株社員さんによくよく話を聞いてみると、

実は、本人が会社の未来を見ていることがあります。

というのも、会社や組織のために、

若手社員を伸ばそうと頑張っているんです。

 

そうなると、古株社員さんのしていることを「いじめ」と

捉えること自体が間違いかもしれません。

 

この場合、当の古株社員自身に問題があるのではなく、

「やり方(伝え方・指導の仕方)」に問題があります。

 

なので、行為自体の否定ではなく、やり方の修正を促します。

 

こういった古株社員さんは、会社と未来を見ているので

比較的、社長としても、話がしやすいのです。

会社のことを考えてくれていて嬉しい。

だからこそ、他にも若手社員に伝える方法があるはずだから

一緒に考えてみようと。

 

 

一方、自分の過去の経験や過去に縛られている古株社員もいます。

 

「この若手が育ったら、自分のやることが無くなる」

と思っている社員は、まさに典型です。

状況が変わってきているのに、以前からの自分のやり方に固執し、

若手にも強要するような社員も同じでしょう。

けれども、後者の古株社員には、そうはいかないでしょう。

こういった社員にはどういったアプローチができるでしょうか?

 

【過去を見ている社員の抱えるもの】

 

古株社員で、年齢が40代、50代を迎える人というのは、

漠然とした恐れや不安を持っているようです。

 

現在、一昔前のような年功序列がなくなり、

歳を重ねれば、給料が上がリ続ける時代ではなくなりました。

年功序列があるころは、若手の方が頑張っていて、

自身の仕事量が減っても、お給料が減ったり、

立場が危うくなることもなく、60歳定年退職に向けて、

満たされた感じがありました。

 

けれど、今は、そうはいかない。

 

それでも、この年代は、社長から見れば、手もかからないし、

体よく使われやすい世代になっています。

使われやすい一方で、若手の方が頑張ってるし、

仕事量も減ってるから、給料を減らしたいと言われれば、

仕事のやる気はなくなるし、楽しくない。

いじめるつもりは無くてもいじわるになってしまう。

 

なんてことを抱えている40代、50代の人が

増えていると思うのです。

 

コンサルティング先の会社でもこういった不安を口にする社員さんに

何度か話を聞いたことがあります。

「若手が育ってきて、私はやることがないんです」

 

つまり、いじめている社員の根底にある、

嫉妬や不安、恐れを払拭しない限り、いじめは治らないと思うのです。

 

では、どうするか?

 

【一緒に未来を考えてみる】

 

私は、こういったとき、問いかけることを大切にしています。

 

たとえば、

「あなたはずっと〇○をやってきてくれたから、そういったスキルや

知識はもったいないと思うんだけど、そのスキルやノウハウを

使って、どんなことができそうですか?」

 

察しのいい方はお分かりかと思いますが、未来志向の問いかけを

投げかけてみるのです。

 

過去を見て、過去に縛られている人は、

不安や恐れにとらわれ、

仕事自体も消化試合のようになっていることが考えられます。

今、向き合っている仕事が、未来に続く試合だと思った時、

仕事への姿勢に何かしらの変化が生まれることがあるのです。

 

一方、不安の根源によっては、若手社員から引き離すことも

考えなくてはいけないと思います。

 

社長には、ぜひ、これからの10年を成熟の10年にしたいか、

消化の10年にしたいのか、時には辞めてもらうことも覚悟するくらい

その古株社員に真剣に向き合ってもらいたいと思いますね。

ではまた来週お会いしましょう。

 

井上健一郎

 

 

■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■

 

編集担当の佐藤です。

 

この話には、実は、続きがあって、

今の若い世代の人の働き方、キャリア形成の仕方にまで

話が及びました。

 

40代,50代の現実が直面している現実を脇目に、

若者世代の育成方法はあまり見直されていないのではないか。

2,30年前と同じように、

一つの会社内で「ゆっくりと育てていく」という感覚が

まだ残っているように感じている。

その感覚に違和感があるといったお話でした。

 

もっともっと20代、30代のうちに育てておく必要があるのでは?

 

これを受けて、私は30代ですが、

今、この時に何を考えて仕事をしていくのか。

 

自分が50代になった時に、どんな人間になって、どんな働き方を

していたいか、思いのほか、頭をゴーンと殴られたわけです。

 

殴られましたが、答えは出ず、、、

 

また次回のメルマガでよろしくお願いいたします!

 

佐藤明日美

 

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