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『「報連相」を基本にしてはいけないとき』~明快通信Vol.031~

2014年10月21日


おはようございます。

人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。

 

スポーツは好きだけど、走ることが嫌いです。

先日、何を思ったのか、ふとランニングに挑戦したのですが

その結果、恐ろしいほどの筋肉痛になり、また走るのが嫌になりました。

 

(やはり好きなことの方が続きますよね。身体を鍛える方法目下検討中)

 

今週も井上先生から人や組織に関する

ノウハウを取材して参りました。

 

今回のテーマは「社長とリーダーの関係性」。

詳しくは本文で・・・!

 

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テーマ:「報連相」を基本にしてはいけないとき

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こんなお悩みをいただきました。

 

「業務を的確にこなしていける社員をその業務のリーダーとしたのですが

どうしても、リーダーらしくならないんです。」

 

よくよく聞いてみると、その社員。

何かあるといつも相談をしにくるそうなのですが、

とにかく相談すればいいと思っているようなんですね。

 

ある会話を抜き出してみます。

 

「社長、相談なんですが、今よろしいですか?

実は、こういったお客様がおりまして・・・云々かんぬん」

 

「それで?何?僕にどうしろっていうの?」

「ええですから、お客様がこう言っているので、

どうしようかと思いまして。。。」

 

 

もし、あなたが社長だったらどうしますか?

 

「それで、お前はどう思ってるんだ?!」

 

なんて言いたくなると思うのです。

 

こんな時に、私がおススメするのは

 

「会話術で関係性を変えてみよう」ということです。

 

【報連相から卒業させる】

 

いきなり、「ん?」と思われた方もいるかもしれません。

報連相は、社会人になると真っ先に叩きこまれることの一つですよね。

 

けれど、報連相は、認識を間違えていると

ちょっと困った事態をひき起こすことがあると思うのです。

 

私としては、リーダーになるような人たちにはもちろんですが、

社員を育てていく上で、重要なポイントになることだと思っています。

 

「報連相」をせずに「確認」しにきなさいということ。

 

先ほどの会話を例にとってみてみましょう。

 

「社長、確認したいことがあるのですが、今よろしいですか?

実は、こういったお客様がいらっしゃいまして、

私としては、このように対応しようかと思っていますが

いかがでしょうか?」

 

「その対応でいいと思うよ。一つ感想としては、

こういう対応もありかなと思ったよ。」

 

「そうですね。そういった対応も考えられますね。

お客様の反応をみて、どちらかの対応をしようと思います」

ここで何が起こっているか、詳しくみてみます。

 

●「確認したいのですが」という枕ことば

 

報告や相談というのは、大切な事なのですが

多くの場合、「情報」や「事実」の丸投げに近いものがあります。

「こういうことがありました」

「こういうことがあったので、どうすればいいでしょうか」

 

そのため、相談された人と言うのは、それに対する回答を

迫られているような状況に陥るわけです。

 

一方、確認と言うのは、「意思」の決定を行った人が

することなので、「このように対処したいと思うのですが」という

聞き方になるわけです。

 

そうなると、社長としては、提案された対処法の良し悪しを

判断すればいいわけで、もし、何か少しずれてるように感じた時でも、

「こんな対応法もあるんじゃない?」と応じる心持ちになれるわけです。

 

「報連相」はそこに本人の意思が介在しないことが多いため、

リーダー的立場の人間や、育てたいと思っている社員にとっては

時と場合によって、使わせてはいけないと思うわけです。

 

本人がどういう意見・意思をもっているのかということを

「確認」と言う行為で表現してもらうこと。

もし、育てたい社員がいる方々は、気を付けてみてくださいね。

 

 

●社長自身も枕ことばを使う

 

リーダーがリーダーになりきれないことの一つとして

社長自身のあり方にも問題があることがあります。

 

リーダーを任せたなら、「命令」は絶対使わないこと。

私は、これが鉄則だと思っています。

 

それでも、人間同士のことですから、違和感を覚えたり、

相手の意見を否定したくなることもあります。

 

でも社長は、喉元まで出た言葉をグッと飲み込む覚悟が必要です。

大げさに言うと、社長というのは、絶対的な権力なわけですから

社員にとっては、社長が口を開くと全部命令に聞こえても

おかしくないわけです。

 

となると、社長が「ん?」と思った時に何気なく、

「それって何でやってるの?」

 

と軽い気持ちで聞いた質問でも、社員にとっては、「詰問」に

聞こえてしまうという事は日常茶飯事なわけです。

 

そんなときは、社長自身も枕ことばを使ってみます。

 

「ちょっと質問なんだけど教えてくれる?」

「アドバイス程度に聞いてくれる?」

「僕の感想なんだけど・・・」

「確認させてほしいんだけど・・・」

 

この時、「確認したい」「知りたい」という感覚が

ことばの端に出ると、確認の感覚も柔らかくなりますし、

社員も自分の状況や意見が言いやすくなるのです。

 

●枕ことばの効能

 

このように枕ことばを使うという一つの会話術は、

何より、お互いが感情をぶつけあうような戦いを避けることができます。

 

そこに上下関係がなくても使える会話術の一つなわけです。

 

こんな些細な言葉かけ1つでも、

積み重ねていれば、コミュニケーションの中で

信頼感を培うこともできると思うのです。

 

みなさんも心の隅に置いておいてみてくださいね。

 

ではまた来週お会いしましょう。

 

井上健一郎

 

 

■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■

 

編集担当の佐藤明日美です。

 

井上さんのお話を聞きながら、

分かるなぁとしみじみしてしまいました。

 

自分に余裕が無い日には、きつい口調になってしまったり、

詰問調になってしまったり、後で落ち込みます。

 

社内や家族や友達でも、あぁこう言えばよかった!と思う瞬間が

どうしたってあるわけなので、、、

そんな瞬間を一つでも減らして、気持ちよく働きたいなと思います。

 

そんなわけで、枕ことばシリーズ、永久保存版です。

 

また次回のメルマガでよろしくお願いいたします!

 

佐藤明日美

 

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