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『社員10人…組織化の壁にぶち当たる前に考えること』~明快通信Vol.035~

2014年11月18日


おはようございます。

人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。

 

落語家・桂文枝さんのお弟子さんに

桂三輝(サンシャイン)さんという方がいます。

この方、ご両親はスロベニア人で、カナダ生まれ。

英語、フランス語、スロベニア語、日本語がペラペラ。

落語を4か国語でやってのける世界ツアー中。

日本語→他言語への訳し方がまたすごい。

 

(『RAKUGO』の笑いは、世界にも通用する普遍的なものなんですって)

 

明快通信【号外】でもご案内した、

弊社開催のサーバーエージェント・曽山哲人氏の講演について、

編集後記に掲載しましたので、興味のある方はチェックしてくださいね。

 

さて、今週も井上先生から人や組織に関する

ノウハウを取材して参りました。

 

今回のテーマは「組織化」。

詳しくは本文で・・・!

 

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テーマ:社員10人…組織化の壁にぶち当たる前に考えること

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社員が10名くらいになってくると、

社長さんがいよいよ「組織化しようかな」と意識し始めます。

 

この時期から、「もっと攻めたい!」けど、

社内では「社員が思った通りに動いてくれない・・・」

なんていう事態がよく起こり始めます。

 

少人数から徐々に人数が増え、いよいよ社長が現場から

離れようと思った時、社長以外は全て横並びという

鍋ぶた型の組織から変化しようとします。

組織化の成功によって、得られるものというのは、

たしかに会社にとって大きいはずなのですが

組織化が巻き起こす課題というのも当然あるわけです。

 

5人前後の少人数のころにはできていたことが

部署を作って細分化した瞬間にできなくなることも実はあるのです。

 

この巻き起こるであろう課題を知っているか否かで、

組織化の準備への心得が違ってきます。

 

今日はそんなポイントについて触れてみようと思います。

 

【組織の細分化が巻き起こす課題】

 

ある製造会社のお話です。

 

私が、その会社の製造部長さんにこう尋ねました。

「営業部に対して、お客さんの言うことばかり聞いてほしくない。

もっとリードタイムを取ってほしいって言ってませんか?」

 

一方で、その会社の営業部長さんには、こう尋ねました。

「製造部に対して、納期とかに対してもっとシビアになってほしい。

顧客に求められてるんだから応えたいと言ってませんか?」

 

この問いかけに対し、2人から帰ってきた答えは

 

「よくわかりますね!どうしてわかるんですか?」

 

実は、製造部長も営業部長も、その役職に就いている人の人格が

お互いの部署に対してそう言っているのではないんですよね。

 

誰が部長になっても、その立場になると同様の発言をしてしまうんです。

 

このように立場をつくると、立場ごとに「目的」ができて、

それに応じた反応や考え方をしてしまうものなんですね。

 

だからこそ、組織化により、細分化されていく中で

会社全体としての課題があるはずなのに、

それぞれに立場・部署の「目的」に縛られて

共有されるべきはずの会社全体としての大きな「目的」が

見えにくく、時に分からなくなってしまうんです。

こうなると、同じベクトルで、会社への貢献を

考えることなんてできなくなってしまうわけです。

 

では、こんな事態を巻き起こさないためにどうすればいいのでしょう?

 

【社員5人からできる組織化への準備】

 

組織化の準備で大切なことは大きく2つあります。

 

それが「目的性」と「関係性」です。

 

まず、「目的性」は、事業の目的、つまり

会社が「どこへ向かうのか」という未来を示し、

方向性を決めるものです。

 

そして「関係性」は、同じ目的を達成するために

質の高い行動をしていくことのできる社員間の基盤となるものです。

この質を高めるためには、目的へ向かうコンテクスト(文脈)を

共有しているかということが重要になります。

 

この2つを組織化を始める前の段階から強めておきます。

社員5人くらいから意識していただけるといいかと思います。

 

経営者は、未来を示し、方向性を共有することを考えます。

経営者と現場がそのためにどうしていくかを常に考え、

実際の行動が方向性に合っていたのか、お互いに確認していくのです。

 

このように「目的性」と「関係性」を強化したうえで、

社員の皆さんには、何をもって会社に貢献していくのかを

繰り返し考えてもらい、意識に植え付けてもらいます。

 

こうしておくと、いざ組織化をはかり、分化していったときに

全社目標を簡単に見失って、自分の部署の目的を強く主張するだけの

「専門おバカさん」は育ちにくくなります。

そして、5人前後の状態から、この目的性と関係性を理解したうえで、

貢献性や自主性が発露する人間が出てくれば、

組織化する際のリーダー候補になることは言わずもがなです。

 

まだまだ5人だからと言って、組織化の準備をしないなんて

もったいないです。

 

ぜひぜひ、10人未満の会社の経営者の皆さんには覚えておいて

いただきたいと思います。

 

ではまた来週お会いしましょう。

 

井上健一郎

 

 

■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■

 

編集担当の佐藤明日美です。

 

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サイバーエージェント取締役 曽山哲人氏によるゲスト講演

 

日時:12月8日(月)18:30~20:30

 

テーマ:『中小零細企業から大企業へ成長するための人事戦略』

 

詳細はこちらです

>> http://infrequent.jp/kbbx769/1411

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ある方と「禅」についてお話しました。

欧米の経営者で禅をする人が多いのはなぜか?

 

いろいろな考え方があると思いますが、その時は

時速200kmくらいのスピード感で物事を考えていると

視野が格段に狭くなる。

だから、禅をすることで、200kmのスピードから

いきなり静止状態になることで広い視野に戻ることができる。

この状態を求めて、禅をするのでは?というお話でした。

 

いくら自分が時速200kmで走れず、

30kmくらいであって、禅が必要ないスピードであっても、

視野が、幾分、狭くなっているということを忘れてしまうと、

振り返ったり、周りを見回してみたりせずに、

いつしか大事なことを忘れることもあるかもしれないなと

ふと思ったのでした。

 

専門おバカさんにならぬよう。

 

また次回のメルマガでよろしくお願いいたします!

 

佐藤明日美

 

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