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『実は叱ってもいい?!叱り方を変えてみる。』~明快通信Vol.034~

2014年11月11日


おはようございます。

人事評価システム『明快』事務局の佐藤明日美です。

 

急いでいる時ほど、道を間違える。

急いでいる時ほど、信号に引っかかる。

そしてさらに急いで階段から落ちる。

 

(時間の余裕は、心の余裕と思う今日この頃です。)

 

先週、明快通信【号外】でご案内した、

弊社開催のサーバーエージェント・曽山哲人氏の講演について、

編集後記に掲載しましたので、興味のある方はチェックしてくださいね。

 

さて、今週も井上先生から人や組織に関する

ノウハウを取材して参りました。

 

今回のテーマは「社員育成」。

詳しくは本文で・・・!

 

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テーマ:実は叱ってもいい?!叱り方を変えてみる。

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若者の育成に悩んでいる経営者やリーダーの方に

出会うことが増えてきました。

 

一昔前は、上司からビシバシと厳しくされ、何か失敗をすれば

「何をやっとんだ?!」などと怒鳴られ、それでも粘り強く、

やり続けてきた経験をしてきている人が今、管理する側になっています。

 

でも、今の若者は、強く叱るとへこたれてしまったり、

やる気を無くしたり、仕事を辞めてしまったり、、、

 

そうやって、いつしか若者を「褒めて」伸ばしていくということに

焦点があてられることが増えてきました。

 

ただ、私は、やはり褒めているだけでは人は伸びないと思っています。

 

ただ、私の世代が上の世代からされていたような

叱り方ではいけないと思うのです。

 

だから「叱り方」のアプローチを変える必要があると思っています。

 

では、どうすればいいの?ということで

具体的に説明していきますね。

 

【若者の変化】

 

ところで、今の若者には、どんな特徴があると思いますか?

 

30代前半くらいまでの年齢の人たちと話していて、

私が感じることは、「思考」が「行動」より

先行している人が多いということです。

 

簡単に言うと、「何のため?」「なぜそれをやるのか」といった

答えを持っていなと、次の行動に繋がらないという事です。

 

情報化社会により、良かれ悪しかれ、ほとんどの事柄について

事前情報を入手することが以前より簡単になっています。

 

なので、何をするにも、しっかりと下調べをして、

行動に移すという生活を送っているのが、今の若者世代なのです。

 

だからこそ、「何のため?」「なぜそれをやるの?」という問いに

納得のいく答えが無い場合、二の足を踏んでしまうようになっています。

一昔前は、「とにかくやってみろ!」と言って、

失敗したら「何をやっとんだ?!ちゃんと見て覚えろ!」なんて

言っておけばよかったわけです。

 

けれども、今の若者は、「思考」が先行しているので、

納得できずにいきなりやらされるということに、多くの若者が

ストレスを感じやすくなってきていると思うのです。

 

だから納得のいかないことをやって、失敗して怒られたりすれば

本人たちのやる気はズタズタになっていくのです。

 

ではどうすればいいか?

 

【「やらせる」より「考えさせる」】

 

「思考」が先行しているなら、何かをやらせる前に、

まずは、徹底的に考えさせる癖をつけるところから

入らせるのが良いと思うのです。

 

例えば、何の経験がなくても、いきなり企画のミーティングや会議で

意見を求めてみるのです。

 

「君は、この議題についてどう思う?」

 

最初ですから「いやちょっとよくわからないです」という反応が

返ってくることは容易に想像ができます。

 

「それじゃあ、どんな情報があったら結論出せる?」

「その情報で、次までに自分自身の結論出してきてね」

 

といったように、どんどん思考させて、考え方を身につけさせます。

 

そういった会議の場に同席し続ければ、

周りの考え方や思考方法を自然と吸収していくでしょうから、

納得のいく答えを自分の中で形成しやすくなります。

 

新卒だったら、2年くらい「思考」を徹底的に磨き、

そのあと徹底的に「やらせていく」。

「やること」に対して、自分自身で「何のため」「なぜそれをやるか」の

答えを出しやすくなっているので、行動をすることに苦痛が

伴わなくなるからです。

 

 

【やらせてみて、失敗したら…?】

 

新人に失敗というものはつきものです。

ついつい怒ってしまいたくなることもあるでしょう。

 

実際に、叱って、新人のやる気が失われ、なかなか復活してこないという

経験も、管理職や経営者の方はあるのではないでしょうか。

 

「どうしてこんなことになったんだ?!」なんて叱り方は、

通用しなくなってきています。これは「行動」を叱っているから。

 

だからこそ、ここでも、「思考」が先行する若者には「思考」を叱る。

これを徹底してみてはどうかと思うのです。

 

「どうしてこういう方法をとったのか理由・根拠を教えてくれる?」

 

こうやって聞くと、「思考」先行型の若者は、

本人としては納得のいく根拠のもとに動いているので

いくつかの理由や根拠が出てくると思います。

 

おそらく失敗をした場合に、どこかの理由や根拠に

経験不足による思考の甘さや不確実な根拠が混ざっています。

 

そこを叱ります。

 

「この根拠の部分は、こういった視点では考えられなかったのかい?」

 

これって叱ってるっていうの?!と思われるかもしれませんが、

「叱る」という行為をする際に覚えておいてほしいのは、

「叱る」ことで行動を振り返らせるというところが

実は、一番重要なポイントなのです。

 

昔のように、「行動」を叱って、あとは自分で考えろという

叱り方ではなく、「行動」を振り返らせて、

「思考」の甘さを指摘する。

これが今流の「叱り方」ではないでしょうか。

 

上司としては、昔よりなんだか伸びが悪いなと思うのは

昔より「思考」先行型になったことで、行動に結びつくまでの時間が

かかっていて結果が見えにくいからかもしれません。

 

若者を一括りにすることは難しいことですが、

そういった傾向があるということだけでも、育成のヒントとして

役立ててほしいと思います。

 

ではまた来週お会いしましょう。

 

井上健一郎

 

 

■編集後記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■■

 

編集担当の佐藤明日美です。

 

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サイバーエージェント取締役 曽山哲人氏によるゲスト講演

 

日時:12月8日(月)18:30~20:30

 

テーマ:『中小零細企業から大企業へ成長するための人事戦略』

 

詳細はこちらです

>> http://infrequent.jp/kbbx769/1401

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今回の明快通信のお話の中で、幼少期の怒られ方の例が出ました。

 

幼い兄弟が夕食の手伝いをしていました。

どんぶりをどちらが運ぶかで揉めているうちに、

2人の手からどんぶりが飛んでいき、器は割れ、夕飯のおかずも台無し。

そして父親に怒られる。

 

このときに「何をやってんだ!謝れ!」ではなく、

「怒られている理由を言ってみろ!」と言われることが

結構大事なのではないかということ。

 

ご飯を粗末に扱ったこと、

ご飯を作ってくれた母親に対して失礼なこと。

お互いの気持ちを思いやれなかったこと。

 

そこまで思いの至らなかったところを振り返らせる。

 

この叱られ方って、叱られる人は怒られながら頭も使うから

記憶に残りやすいよなぁと納得。考えただけでもブルーになりますが。

 

また次回のメルマガでよろしくお願いいたします!

 

佐藤明日美

 

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●井上健一郎のコラム『中小企業は人事部を作りなさい!』

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